「実家を空き家にしているけど、どれくらいの頻度で換気すればいいんだろう?」
「月に1回しか行けないけど、カビや家の中の劣化が心配……」
人が住まなくなった家は、窓を開ける機会が減るため、湿気やカビが発生しやすくなります。
建物の劣化を抑えるためにも、定期的な換気が欠かせません。
この記事では、空き家の換気頻度や時間の目安、効率よく換気する方法と注意点を解説します。
自分で換気に行けない場合の対処法も紹介するので、実家の管理にお役立てください。
空き家の換気頻度と時間の目安
空き家を良好な状態で維持するためには、適切な方法で換気することが大切です。
「どのくらいのペースで通い、何分ほど窓を開けておけばいいのか」という一般的な目安を押さえておきましょう。
換気は月1~2回程度を目安にする
空き家の換気は、月に1~2回程度を目安に行いましょう。
人が住んでいない家は、日常的に窓やドアを開ける機会が少なく、室内に湿気がこもりやすくなります。
定期的に空気を入れ替えることで、カビの発生や湿気による建物への悪影響を抑えることにつながります。
自治体などが公開している空き家の管理ガイドでも、月1回程度の訪問を目安に、換気や通水、清掃などを行う方法が紹介されています。
梅雨の時期や湿気が多い季節は、室内の状態を意識して確認することが大切です。
カビが発生している場所がないか、壁や天井にシミができていないかなどもチェックしましょう。
ただし、月1~2回の換気を行えば、必ずカビや建物の傷みを防げるわけではありません。
建物の構造や立地、雨漏りの有無などによっても状態は異なるため、換気とあわせて定期的な点検を行いましょう。
1回の換気時間は30分~1時間程度を目安にする
空き家の換気は、1回につき30分~1時間程度を目安に行うとよいでしょう。
複数の窓を開けて風の通り道をつくると、室内の空気を効率よく入れ替えられます。
また、窓を開けるだけでなく、換気扇も活用すると空気が流れやすくなります。
東京都が公開している空き家の管理ガイドでも、窓や収納扉を開けて換気し、換気扇を60分程度運転する方法が紹介されています。
換気をしている間は、郵便物の整理や室内の清掃、建物の点検などを並行して行うと、時間を有効に使えます。
ただし、換気に必要な時間は、窓の数や建物の広さ、風の強さなどによって変わります。
30分~1時間という時間にこだわりすぎず、室内の状況を確認しながら換気しましょう。
雨戸を閉めたままでも換気扇で換気できる?
防犯や台風対策などの理由から、空き家の雨戸を閉めたままにしているケースもあるでしょう。
雨戸を閉めていても、換気扇を使用すれば室内の空気を排出できます。
ただし、換気扇だけで十分に空気を入れ替えられるとは限りません。
換気扇によって室内の空気を排出するには、外から新しい空気が入ってくる経路も必要です。
雨戸や窓をすべて閉め切っていると、空気の流れが制限され、換気の効率が落ちる場合があります。
そのため、防犯上の問題がなければ、訪問時には窓を開けて自然の風を取り入れ、換気扇も併用するのがおすすめです。
【関連記事】空き家の雨戸は閉めっぱなしで大丈夫?管理するときの注意点
空き家の換気が必要な理由
人が暮らしている家では、ドアの開閉や人の動きによって自然と空気が動きます。
しかし、空き家では空気が完全に停滞するため、意識的な換気を行わないと建物自体の寿命を縮める大きな要因となります。
湿気やカビによる建物への悪影響を抑えるため
空き家では、窓を開けたり空気を入れ替えたりする機会が少なくなるため、室内に湿気がこもりやすくなります。
湿気が多い状態が続くと、壁や天井、押し入れの内部などにカビが発生します。
カビは壁紙の剥がれや畳の腐食を引き起こすだけでなく、建物を支える柱や床板にまで侵入します。
木材が傷むと、建物の構造的な耐久性が低下し、修繕費用が高額になるリスクが高まります。
湿気を外へ逃がすことは、建物の資産価値を守る第一歩です。
室内の異臭や建物の異常を早期に発見するため
空き家を定期的に訪問することには、室内の異臭や建物の異常を早期に発見しやすくなるというメリットもあります。
たとえば、実家を訪れた際に、カビ臭さや排水口からの臭いに気づくことがあります。
こうした異臭は、湿気やカビ、水回りの状態などに問題があるサインかもしれません。
また、室内を確認すれば、天井や壁のシミ、床の変色、水回りの水漏れ、窓や建具の不具合などにも気づきやすくなります。
特に台風や大雨の後は、屋根や外壁などから雨水が入り込んでいないか確認することが大切です。
異常を放置すると、建物の傷みが進み、修繕費用が増える可能性もあります。
換気を目的に訪問した際には、窓を開けて空気を入れ替えるだけでなく、室内や建物の外側も一通り確認しましょう。
異常を発見した場合は、必要に応じて専門業者に点検や修理を依頼することが重要です。
【関連記事】実家の雨漏りを放置するとどうなる?手遅れになる前に知っておきたい基礎知識
空き家を換気するときの方法と注意点
空き家の換気は、ただ窓を開ければよいというわけではありません。
効率よく空気を入れ替えるための工夫や、防犯面への配慮も必要です。
複数の窓を開けて空気の通り道をつくる
効率よく換気を行うためのコツは、対角線上にある2箇所以上の窓を開けて風の通り道をつくることです。
1箇所しか窓を開けない場合、外気が室内に流れ込まず、空気が留まってしまいます。
建物の対角線上にあたる部屋の窓をそれぞれ開けることで、家全体に空気の流れが生まれ、短時間で効率よく湿気を排出できます。
また、1階だけでなく2階の窓も同時に開けると、上下の温度差による立体的な空気の入れ替えが可能になります。
押し入れ・クローゼット・靴箱の扉も開ける
部屋の窓だけでなく、収納スペースの扉もすべて開けましょう。
押し入れやクローゼット、靴箱、システムキッチンの下部収納などは、普段から湿気が溜まりやすく、カビの温床になりやすい場所です。
部屋の窓を開けると同時にこれらの扉をすべて開け放ち、収納の奥までフレッシュな外気が触れるようにしましょう。
雨の日は外の湿度や天候に注意する
空き家の換気は、できるだけ天候のよい日に行うのがおすすめです。
雨の日は外の湿度が高くなることがあり、窓を開けることで室内に湿った空気が入り込む場合があります。
また、強い雨や風が吹いていると、雨水が室内に吹き込むおそれもあります。
しかし、雨が降っているからといって、必ず換気を避けなければならないわけではありません。
外の湿度や雨の強さ、風向きなどを確認し、室内に雨水が入り込まないように注意すれば、状況に応じて換気できる場合もあります。
可能であれば前日・当日ともに晴れている湿度の低い日を選んで実施しましょう。
換気中の防犯と退出時の戸締まりに注意する
空き家の換気では、防犯面にも注意する必要があります。
長時間窓を開けたままにすると、第三者が侵入するリスクが高まります。
換気中は家を離れず、室内にいる間も周囲の状況に気を配りましょう。
換気を終えて退出する際は、開けた窓や玄関、勝手口などを確実に施錠してください。
トイレや浴室の窓など、閉め忘れやすい場所も忘れずに確認しましょう。
空き家では換気と一緒に通水も行う
空き家の管理では、窓を開けて風を通すだけでなく、キッチンや洗面所、浴室、トイレなどの水回りで水を出して流す通水作業をセットで行うことが重要です。
住宅の排水口には、封水と呼ばれる水が常に一定量溜まる構造(排水トラップ)が採用されています。
この封水によって下水管からの悪臭や害虫が室内に侵入するのを防いでいます。
しかし、長期間水を使わないでいると封水が蒸発してしまい、下水臭が家中に充満したり、害虫が配管を伝って侵入してきたりします。
換気で滞在している間に、各排水口へ1〜2分程度しっかりと水を流し、排水トラップに新しい水を給水しておきましょう。
なお、水道の利用を休止している場合は、ペットボトルなどに持参した水を入れて排水口に流し込むことで封水を補給できます。
空き家の換気に行けない場合の対処法
実家が遠方にある場合や、仕事や体力面の事情で頻繁に訪問できない方もいるでしょう。
自分で換気に行くことが難しい場合は、無理に訪問を続けるのではなく、管理を代行してもらう方法も検討しましょう。
代表的な方法としては空き家管理サービスの利用があります。
管理会社などに依頼すると、定期的な換気や通水、室内外の点検、郵便物の確認などを代行してもらえます。
ただし、対応している作業や訪問頻度、料金は事業者によって異なるため、換気だけでなく、通水や清掃、建物の点検など、必要な作業が含まれているか確認したうえで選びましょう。
また、親族が近くに住んでいる場合は、定期的な訪問や異常があった際の連絡をお願いできるか相談する方法もあります。
ただし、負担が1人に集中しないように無理のない範囲で協力を依頼しましょう。
空き家の管理を長期間続けるのが難しい場合は、今後その家をどうするのか考えることも重要です。
将来的に住む予定がないのであれば、売却や賃貸などの活用方法も含めて検討してみましょう。
まとめ|無理のない頻度で計画的に空き家を管理しよう
空き家の換気は、月1~2回程度、1回につき30分~1時間程度を目安に行いましょう。
複数の窓を開けて空気の通り道をつくり、押し入れやクローゼットなどの収納スペースも開放すると、室内の空気を入れ替えやすくなります。
また、換気と一緒に通水を行い、カビや異臭、雨漏りなどの異常がないか確認することも大切です。
実家が遠方にあるなどの理由で定期的に訪問できない場合は、空き家管理サービスの利用や親族への協力依頼を検討しましょう。
将来的な売却・賃貸といった選択肢を検討するのも一つの手です。