実家を相続したときの手続きの流れや注意点について解説

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実家を相続した際の手続きの流れについて解説します。
実家を相続するけど、何からすればいいのかわからない、という方は参考にしてみてください。

実家を相続した際の手続きの流れ

実家相続の手続きを7ステップで解説

実家を相続する際には、以下の手続きを行う必要があります。
相続の手続きには多くのステップがあり、期限もあるため計画的に進めましょう。

遺言書の有無を確認

まず、被相続人が遺言書を残しているか確認しましょう。
遺言書があれば、その内容に従って相続財産が分配されます。
遺言書がない場合は、法定相続人による遺産分割協議が必要となります。

遺言書が公正証書で作成されている場合は、公証役場でも確認できます。
自筆証書遺言などの公正証書遺言以外の遺言書だった場合は、家庭裁判所の検認が必要です。

相続人と遺産の調査

遺言書を確認したら相続人を確定させます。
相続人の調査は、被相続人の戸籍謄本をたどって行います。
相続人が1人でも欠けていた場合、遺産分割協議が成立しません。
被相続人が出生してから死亡まですべての戸籍謄本を取り寄せる必要があります。

また、遺産については、被相続人の財産だけでなく、借金も含めてすべて調査します。

相続放棄・限定承認の検討

遺産の調査をして被相続人の借金が見つかった場合は、相続放棄と限定承認の検討をします。

相続放棄とは、すべての遺産を放棄することです。
借金だけでなく、金融資産や不動産など、プラスの財産も放棄しなければなりません。

限定承認とは、プラスの財産の範囲内で債務を負うことです。
財産の中に自宅が含まれている場合などに、限定承認を選択することが多いです。

相続放棄や限定承認は、3か月以内に行わなければなりません。
また、相続放棄は1人でもできますが、限定承認は相続人全員で行う必要があることにも注意しましょう。

相続放棄や限定承認を検討する際は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

準確定申告

被相続人が死亡した年の1月1日から死亡日までの所得について、準確定申告を行う必要があります。
申告期限は、相続開始を知った日の翌日から4か月以内です。

被相続人に事業所得や不動産所得があったり、給与収入があったりする場合は、準確定申告が必要になることが多いです。
詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。

【参考】弥生:準確定申告とは?必要な場合と不要な場合、申告の手順、注意点を解説

遺産分割協議

遺言書がなかった場合は、遺産分割協議をします。
遺産分割協議とは、相続人全員で相続財産の分け方を決定することです。
合意をしたら遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名捺印します。

遺産分割協議に期限はありません。
しかし、遺産分割協議を完了させないと、相続税の申告で手続きが煩雑になるため、早めに済ませましょう。

相続登記

相続登記とは、被相続人の名義を相続人に変更する手続きです。
相続登記をしないと、実家の権利関係が複雑になってしまうため、早急に行いましょう。
相続登記の申請は、必要書類を法務局に提出します。

相続税の申告・納付

相続財産が一定額を超えると、相続税の申告・納付が必要となります。
相続税の基礎控除は3,000万円+(法定相続人の数×600万円)です。
相続が開始した日から10か月以内に申告をしなければなりません。

実家を相続した際の注意点

実家の相続で気を付けたい3つのポイントについての図解

実家を相続することは、様々な責任が伴います。
思わぬトラブルを避けるために、以下のような点に注意しましょう。

相続登記をしないで放置するデメリット

実家の相続登記をしないで放置すると以下のようなデメリットがあります。

  • 10万円以下の過料
  • 権利関係が複雑になる
  • 必要書類を集めるのが難しくなる
  • 相続人が認知症などになると成年後見人が必要になる
  • 売却ができない
  • 不動産賠償が受けられなくなる

面倒だからと相続登記をしないで放置しても、状況が悪化するだけで良いことはありません。
様々なリスクが生じるため、早めに手続きを行いましょう。

共有名義はトラブルの元なので避ける

実家を複数の相続人で共有名義にするのは避けましょう。
共有名義にしてしまうと、以下のようなデメリットがあります。

  • 売却や賃貸借などの手続きに時間がかかる
  • 意見が対立しやすいためトラブルの原因になる
  • 共有者が亡くなった場合、その相続人が新たな共有者となってしまう

実家は共有名義にするのではなく1人の名義にして、他の相続人には代償金を支払う方法を検討しましょう。

空き家になりそうなら売却を検討する

実家を相続して手続きも済ませたが誰も住む予定がない、という場合もあるでしょう。
実家が空き家になりそうなら売却がおすすめです。

空き家のまま放置すると、管理の手間や防犯上の問題などが発生します。
また、建物や設備が劣化すると、売却価格がどんどん下がっていきます。

決断を後回しにしても、結局は売却に至ることが多いです。
資産価値を維持しているうちに、売却を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

実家を相続した際の手続きの流れは以下のとおりです。

  1. 遺言書の有無を確認
  2. 相続人と遺産の調査
  3. 相続放棄・限定承認の検討
  4. 準確定申告
  5. 遺産分割協議
  6. 相続登記
  7. 相続税の申告・納付

それぞれの手続きには期限があるものが多いため、余裕を持って早めに行いましょう。

相続登記をしないで放置してしまうと、権利関係がどんどん複雑になっていきます。
放置しても良いことはなく、逆に状況が悪化していくため、相続登記も早めに行いましょう。

実家を共有名義にするのは避けた方が良いです。
権利者が複数人いることで、手続きが面倒になったり、意見が対立して手続きが進まなくなったりします。
名義人は1人にして、他の相続人には代償金を支払うようにしましょう。

実家に誰も住む予定がなく、空き家になってしまいそうなら、売却をおすすめします。
空き家のまま放置しても管理や維持費の負担をしなければならないため、手放すことを検討しましょう。