「家を売りに出してから1年以上経つのに、まだ売れない」
「このまま永遠に売れないのではないか」
家が長期間売れない場合は、売り出し価格や建物の状態、立地、販売活動などに原因がある可能性があります。
また、売れない状態が続くと、固定資産税などの維持費がかかり続けるだけでなく、空き家の場合は建物の劣化が進むこともあります。
この記事では、1年以上売れない家の主な原因や、そのまま持ち続けるリスクについて解説します。
売り出し価格や販売活動の見直し、不動産会社の変更、それでも売れない場合の買取についても紹介します。
1年以上売れない家の主な原因
家を売りに出してから1年以上経っても売却できない場合は、何らかの理由で売れにくい状態になっている可能性があります。
原因は一つとは限らず、価格や建物の状態、立地、販売方法などが複合的に影響していることもあります。
売り出し価格が相場より高い
家が1年以上売れない原因として、まず考えられるのが売り出し価格が相場より高いことです。
買主は、同じエリアにある類似物件の価格や不動産市場の相場を比較して購入を検討します。
そのため、周辺の物件より価格が高いにもかかわらず、それに見合うメリットがなければ、購入候補から外されます。
また、売り出した当初は適正な価格だったとしても、時間が経つにつれて周辺の競合物件が増えたり、市場環境が変化したりすることがあります。
1年以上売れない場合は、売り出したときの査定額だけを基準にするのではなく、現在の相場と販売価格が合っているかを改めて確認することが重要です。
築年数が古く建物の状態が悪い
築年数が古く、建物の状態が悪いことも、家が売れにくくなる原因のひとつです。
築年数が経過した家では、外壁や屋根、水回りなどの劣化が進んでいる場合があります。
購入後に修繕やリフォームが必要になると、買主にとっては購入費用に加えてまとまった出費が必要になります。
また、古い家は現在の住宅と比べて設備や間取りが使いにくいケースもあり、購入希望者が限られることがあります。
しかし、築年数が古いという理由だけで売却できないとは限りません。
建物の状態や立地、価格などとのバランスによって、買主が見つかる可能性はあります。
立地や周辺環境に問題がある
立地や周辺環境も、家の売れやすさを左右する重要な要素です。
たとえば、次のような条件があると、購入を検討する人が限られることがあります。
- 最寄り駅やバス停から遠い
- 通勤・通学に不便
- 買い物できる場所が少ない
- 周辺に生活に必要な施設が少ない
- 道路が狭く車の出入りがしにくい
また、地方では人口減少によって住宅を購入する人自体が少なくなっている地域もあります。
こうした立地条件は簡単に変更できないため、価格を含めて買主が納得できる条件になっているかを考える必要があります。
広告や内覧など販売活動に問題がある
物件そのものに大きな問題がなくても、販売活動が十分でないために売却につながっていない可能性があります。
たとえば、次のようなケースです。
- 物件情報の写真が少ない
- 室内の状態が分かりにくい
- 物件の魅力が広告で十分に伝わっていない
また、問い合わせや内覧の希望者がいるにもかかわらず、内覧時の室内が整理されていなければ、購入意欲を下げてしまうことがあります。
1年以上売れない場合は、単純に「価格が高い」と考えるのではなく、問い合わせや内覧がどの程度入っているのかを確認することも大切です。
問い合わせ自体が少ないのであれば、価格や広告の内容などを見直す必要があるかもしれません。
1年以上売れない家をそのまま持ち続けるリスク
家を売れない状態のまま所有し続けると、税金や維持管理の負担が続くほか、空き家の場合は建物の劣化が進む可能性があります。
相続した実家など、誰も住んでいない家は放置しないことが大切です。
固定資産税などの維持費の負担が続く
不動産は所有しているだけで継続的に以下のようなコストが発生します。
| 固定資産税 | 毎年1月1日時点の所有者に課税されます |
| 各種維持管理費 | 火災保険料・地震保険料のほか、戸建てであれば庭木の剪定費用や草刈り代、マンションであれば管理費・修繕積立金が発生します |
| 現地への交通費 | 遠方の空き家を定期的に清掃・確認しに行くための移動コストも積み重なります |
売れない状態が続けば、その分だけこうした負担も長期化します。
空き家の場合は建物の劣化が進みやすい
人が住んでいない空き家は、換気や通水などが十分に行われず、湿気がこもりやすいです。
その結果、カビや水回りのトラブル、木材の腐食などにつながることがあります。
また、庭の雑草が伸びたり、害虫が発生したりするなど、周辺環境にも影響する可能性があります。
建物の劣化が進めば、売却時に買主から修繕を求められたり、売却価格に影響したりします。
そのため、売れない状態が続いている空き家ほど、売却活動と並行して適切に管理することが重要です。
管理状態が悪い空き家は特定空家等に指定される可能性がある
適切に管理されていない空き家は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼすなど、一定の状態になると特定空家等に指定される可能性があります。
特定空家等に指定された場合は、自治体から助言・指導や勧告などを受けることがあります。
勧告を受けた場合には、住宅用地に対する固定資産税の軽減措置が適用されなくなり、税負担が増える可能性があります。
1年以上売れないというだけで特定空家等に指定されるわけではありません。
建物の状態や周辺への影響、管理状況などで判断されます。
参考:空家法とは|国土交通省
1年以上売れない家を売るための対策
1年以上売れない状態が続いている場合は、これまでと同じ活動を漫然と続けるのではなく、戦略を見直す必要があります。
売り出し価格を見直す
1年以上売れないのであれば、現在の売り出し価格が市場の相場と合っているか確認しましょう。
売却を始めたときは適正な価格でも、時間が経つことで周辺の競合物件が増えたり、市場の状況が変化したりしている可能性があります。
現在の周辺相場や類似物件の販売価格を確認し、必要であれば価格の引き下げを検討します。
ただし、単純に大幅な値下げをする必要はありません。
問い合わせや内覧が少ないのか、内覧はあるものの購入申し込みにつながらないのかによって、必要な対策は異なります。
価格を見直す際は、不動産会社から現在の市場状況や競合物件について説明を受け、なぜ売れないのかを確認したうえで価格を決めることが大切です。
物件の見せ方や販売活動を見直す
価格に問題がない場合は、物件の見せ方や販売活動を見直す方法があります。
たとえば、広告に掲載している写真が少なかったり、室内の状態が分かりにくかったりすると、物件の魅力が十分に伝わらない可能性があります。
また、内覧時の印象も重要です。
室内に荷物が多く残っている場合は整理したり、汚れが目立つ場所を清掃したりすることで、購入希望者が物件を確認しやすくなります。
不動産会社に対しては、どのような広告を出しているのか、問い合わせや内覧がどの程度あるのかなどを確認してみましょう。
価格を下げるだけでなく、現在の販売活動に改善できる点がないか確認することも、1年以上売れない家を売却するための方法のひとつです。
不動産会社の変更を検討する
売却活動を長期間続けても成果が出ず、不動産会社の販売活動にも問題があると感じる場合は、会社の変更を検討してみましょう。
不動産会社によって得意とする物件や地域などが異なります。
そのため、現在の不動産会社では買主を見つけにくい物件でも、別の会社に相談することで買主が見つかる可能性があります。
変更を検討する際は、単純に査定額が高い会社を選ぶのではなく、売却する物件と同じような不動産の取り扱い実績があるのかを確認しましょう。
また、現在の不動産会社との媒介契約がどのような内容になっているのかを確認してから、変更を進めることも大切です。
それでも売れない家は買取も検討する
価格や販売方法を見直しても売却できない場合は、不動産会社による買取を検討してみましょう。
買取とは、不動産会社が買主となって、売主から直接不動産を購入する方法です。
長期間売れない家を手放すための有力な選択肢となります。
不動産買取なら仲介より早く売却できる場合がある
仲介では、広告などを通じて購入希望者を探し、内覧や条件交渉などを行ったうえで売買契約を結びます。
そのため、買主が見つからなければ売却まで時間がかかります。
一方、不動産買取では不動産会社が直接買主となるため、一般の買主を探す必要がありません。
そのため、仲介よりも短期間で売却できる場合があります。
築年数が古い、立地が悪いなどの理由で一般の買主が見つかりにくい家では、買取が有効な選択肢になることがあります。
ただし、すべての不動産会社がどのような物件でも買い取ってくれるわけではありません。物件の状態や立地などによっては買取を断られる場合もあります。
また、売却後の契約不適合責任(隠れた不具合に対する補修義務)が免除される契約が多いため、安心感があります。
買取は仲介より売却価格が低くなる傾向がある
不動産買取には、売却までの期間を短縮しやすいというメリットがある一方で、仲介より売却価格が低くなる傾向があります。
不動産会社は買い取った物件を、そのまま再販売したり、必要に応じてリフォームや修繕を行ったりします。
こうした費用や販売にかかるリスクなどを考慮して買取価格が決まるためです。
そのため、1年以上売れないからといって、すぐに買取を選ぶのではなく、仲介を続けた場合の売却価格や期間と比較して判断することが大切です。
たとえば、次のように自分の状況に合った方法を検討するとよいでしょう。
- できるだけ高く売りたい → 仲介を続ける
- 売却期間を短くしたい → 買取を検討する
- 築古で立地が悪く買主が見つかりにくい → 買取も含めて比較する
まとめ
1年以上売れない家には、売り出し価格が相場より高い、築年数が古い、立地に問題があるなど、さまざまな原因が考えられます。
まずは問い合わせや内覧の状況を確認し、価格や物件の見せ方、販売活動などに改善できる点がないか見直してみましょう。
必要に応じて、不動産会社の変更を検討することもひとつの方法です。
仲介での売却が難しい場合は、不動産買取も選択肢になります。
仲介より売却価格が低くなる傾向があるため、売却までの期間や価格などを比較し、自分の状況に合った方法を選びましょう。